楽しく暮らせるために、まず一緒にお出かけしたくなるような犬の服をつくることを思いつきました。当時は犬のオシャレといえば、シーズーやマルチーズなどのお座敷犬と呼ばれる犬がつけるリボンくらい。欧米ではすでに服は売られていましたが、日本で服を着ている犬はほとんどいませんでしたね。海外で買ってきた服を着せて公園を散歩していると、自然と周りに人が集まってきて『かわいい、かわいい』と褒められました。それがわかるのか犬もとても嬉しそうで。そこで一大決心し、犬のブランドを作ることに」
ブランドを立ち上げるのと時を同じくして、大谷さんの家にはエアデールテリアが
仲間入りしたのだとか。
「ミニチュアシュナウザーと供にずっと欲しかったのが、エアデールテリア。イギリスで頻繁に見かけたのですが、日本ではブリーダーもほとんどいない状況で……。けれども知人からブリーダーを見つけたという知らせを受けて、早速会いにいくことにしたんです。そして晴れて家族にエアデールが仲間入りすることに。名前は、兼ねてからつけたかったアルファベットの“F<エフ>”に。エフが我が家に来た1995年に、ついに犬のブランドをスタートさせることにしたのです」
ブランドの名前もエアデールのエフ君と同じ、“デザインエフ”となった。
「“F<エフ>”という文字には、Family(家族)・Friends(友達)・Funny(かわいい)・Fun(楽しい)・Fashion(ファッション)・Favorite(一番お気に入りな)・Future(未来)・Forevor(いつまでも)・Foundation(新たな基盤)と、前向きな意味がたくさん含まれています。犬と共に、素敵な時を過ごすのにふさわしい 色褪せないドッグアイテム作りにはこの名前がふさわしいと思い名づけました」
エフ君を看板犬に、そうして日本で初のドッグブランドがスタートした。
「今振り返って一番苦労したことといえば、服のパターン作り。大・中・小さまざまな犬のサイズを測っては、パターンに起こしての繰り返し。公園にメジャーとカメラを持っていっては、飼い主の方にご協力いただいてサイズを測らせてもらったり。工場探しにも苦労しましたね。ようやく出来上がってきて、いざ犬に着せてみると変なシワができていいたり、歩きずらそうだったり……。何度も失敗を繰り返して、ようやくスムーズに発注・生産ができるようになるまでに約4年を費やしました」
念願であったショップを青山に構え、犬のブランドとして、さまざまなメディアに
取り上げられるようになった。
「ブランドが認知されるようになり、犬の暮らしが注目されるようになったことはとっても嬉しかったです。その一方で、犬に洋服を着せることへの誤解や誹謗中傷もありました。けれどもめげずに頑張ってこれたのは、共に頑張ってきたスタッフの協力とともに、なにより愛犬の存在があったから。自分のしていることが間違っていないことを、愛犬が証明してくれたのです」
エフ君は自ら服を着たがるほどのオシャレ好きだという。
「人と一緒に家の中で暮らしている犬は、人と同じように寒さに弱いことがほとんど。都会に住む場合ほとんどが室内犬ですから、体温調節が外で飼われている犬より苦手なことも多いのです。かといって外へお散歩に行かないというのも犬が可哀想。そんな時には服やレインコートが大活躍するんです。雨の日でも喜んでお散歩にいきますよ」
徐々に愛犬家の間で話題になり、今では都内に2店舗を構えるほどに成長した。
「まずは一緒にお出かけできる環境づくりを目指して、服やアクセサリーなどのデザインから始めてきましたが、現在は犬の健康をサポートするためのトリミング&ホリスティックケアショップ「エフバイデザインエフ+C」もオープンさせました。現代は人にとっても、犬にとってもストレス社会。常に飼い主のそばにいる犬は、その影響を直に受けやすいのです。
そんな犬たちのストレスや疲れを少しでも和らげることができればという思いから、トリミングとともにTタッチとよばれる、犬のリラクゼーションマッサージを取り入れることに。Tタッチは、日本におけるDOGホリスティックケアの第一人者である松江香子先生が「エフバイデザインエフ+C」のために考案していただいた特別なケアです。マッサージをトリミングに加えることで、緊張を和らげリラックス効果を高めます。お店に来たときの何倍も元気になって帰っていく姿を目にするたびに、自然と笑顔がこぼれてしまいます」
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